出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)
先日、昔の教え子の同窓会がありました。ミレニアムと騒がれた2000年に中学を卒業したので、なんと17年ぶりに会った卒業生もおり、大変懐かしく楽しい一時をすごしました。中学時代も大変に優秀な学年で、勉強ができるだけでなくクラブや生徒会にも熱心、といったオールラウンド型の生徒が粒ぞろいの子たちでした。中心メンバーだったY君とも久しぶりの再会。彼は昔から有言実行タイプの男で、ちょっと聞くと自慢話になりかねない話が私には面白くてたまらず、つい聞き入ってしまいます。
中学卒業時に165センチくらいの小柄の痩身だった彼が、でかくなってるという噂を数年後に聞きましたが、それはこんな訳がありました。
慶応高校でサッカーをしていたY君は進学したとき、「大学のサッカーではそんな体では絶対通用しない」と言われたそうです。するとなんと彼はもっと通用しなさそうな「アメリカンフットボール部」に入り、ひたすらウエイトトレーニングに励み180センチを超える身長と体に変身したそうです。そして大学時代は全日本の選手にも選ばれ、相当な活躍をしました。その話を聞いたのは彼が社会人になるときでしたが「これから僕の次の人生計画は新しいステージに入ります」と断言しました。
現在、東京出身のY君は山形におり、過疎化して衰退していく町の再開発を手掛けています。会社を立ち上げ、サイエンスパークの開発でまったく縁もなかった地域の再生を目指しているのです。そこには、コミニュティホテル(宿泊滞在複合施設)、キッズ・ドーム・ソライという子育て施設も建てられます。この施設には「遊び」「学び」「出会い」をテーマにした屋内屋外一体型の遊び場で、自主性を伸ばす幼児教育、保育園の開設も予定されています。都市計画でなく地方のまち再生計画という壮大なプロジェクトに取り組むY君。サイエンスパーク開発のテーマは「人と人をつなぐ」で地域を世界一幸せな場所にしたいという思いがあるそうです。教え子ながら「すごいやつ!」と感服しましたね。園長 田中 裕