中学生のマスク作り
新年度が始まりましたが、現在、世界が新型コロナウィルスの猛威にさらされており、先行きが見えない不安でいっぱいです。100年に一度の危機とか、第2次世界大戦以来の危機とか言われていますが、日本では東日本大震災以来の国難です。
学校も3月から一斉休校となり、さらに5月の連休明けまで休校が延期されました。このため学校に通う子どもたちにも大きな影響が出ています。マスクはもとより、紙製品や食料品の買い占めによる品薄も続いています。
そんな中、ひとりの女子中学生が手作りのマスクを600枚以上作って寄付したというニュースがありました。マスク作りのきっかけは高齢者の方が一生懸命ドラックストアに並んでも買えない姿をテレビで見て、作ることを思いついたそうです。この気持ちだけでも素晴らしいのですが、この女子中学生はマスクを作る予算を自分のお年玉貯金から8万円を使ったということです。なんという健気な心根でしょうか。自分のためだけに買い占めに走る人たちが多い中、さながら現代のクリミアの天使(※)といえるのではないでしょうか。
今、夢や希望をもって進級、進学、就職した人たちには大変つらいスタートとなっています。これも少し前にインスタグラムで有名になった「ワニの4コマ漫画」ですが、作者の方はこの100日間投稿した漫画を通して「いい人生だったと思える人生にしよう。周りの人との時間を大切にしよう」を描きたかったそうです。私たちも会議や行事が中止、延期になっていつもの活動ができずにいます。煮詰まります。また子どもたちにとって外出をせず家にいる時間は長い長い時間かもしれませんが、自分ができることを見つける機会、衣食住が満たされているありがたさを感じる機会と思って、時間を大切にできればと思います。(※19世紀のクリミア戦争のときに従軍してたくさんの兵士の手当てをしたナイチンゲールのこと) 園長 田中 裕