北野保育園は「和・気・愛・愛」をもって、地域の子育ての支援を行います。

保育園ブログ

君の名は?

 映画「君の名は。」の快進撃が続いています。日本のみならず、海外にも進出して高い評価を受けています。私も夏に見ましたが、きっかけはテレビの特集でした。

 映画で使われた場所の「聖地巡礼」の話題でしたが、それ以前に映画をあまり見ない私にとって単純に「絵」の美しさにひかれて見たいと思ったのです。実際にアニメとは思えないほどの美しい映画でしたが、それだけでなくストーリー展開の早さ、ちょっと手の込んだタイムラグの部分は映画ならではのカタルシスを感じさせました。知り合いの園長には映画や小説の中では別に目新しいものではないと、ちょっと小馬鹿にされました(笑)。その園長は「赤い糸」のシーンというかエピソードに興味を持ったそうです。映画っていろいろな魅力に満ちていますね。

 保育園や幼稚園で「君の名は?」と聞くと今日びの子どもたちからは

「ぴかちゅう!」「きてぃ!」「ぺこ!」などの声が上がります。子どもが好きなキャラクターを言っているのではなく、まじめに自分の名前を答えているのです。そう、何年も前から話題になっている「キラキラネーム」ですね。ちなみに先の3人は漢字で書くと「光宙」「愛猫」「礼」だそうです。これには親の子に対する願いではなく、親が自分の子をペット感覚でとらえ、「名前がかわいい」と感じる思いが出ているように思います。

 昔は命名するときに姓名判断をしたり、愛をこめて親の一字を入れて考えたりしたものです。漢字というのは表意文字ですから一文字でもいろいろな意味をもっており(訓)、いっぽう漢字の音読みを使って2字、3字のその子らしい響きを持つ名前に組み合わせることができるのです。

 時代を反映して戦時中は「勝」「征」を使ったり、復興を願って「実」「茂」が使われたりしました。今、「愛」とか「心」が使われるのもその時代の欠乏感を表していると考える人もいるようです。キラキラネームが生まれる背景には、現代の「没個性化」の裏返しがあると分析する人がいます。個性を我が子の名前で映し出そうという思いでしょうか。自分らしく生きることが難しい中で自分らしさを表現しているのかもしれません。しかし、それは生まれたばかりのその子の願いではなく、あくまで親である個人の願いです。その反動で「わが子にキラキラネームはつけない」というポリシーを持っている人もいます。キラキラネームといえども時代が変わると当たり前のようにその子らしさを表していると誰もが思うようになるのかもしれませんが。 園長 田中 裕

参考までに

次の名前は下のどれでしょうか? 苺愛  七音  黄熊  今鹿  愛羅 

                ぷう  どれみ  べりーあ  なうしか てぃあら 

 

2017年02月01日   北野保育園

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