北野保育園は「和・気・愛・愛」をもって、地域の子育ての支援を行います。

保育園ブログ

校庭の正面に雄大な富士山が見える学校に行った

10月の終わりに板橋区私立保育園園長会恒例の管外視察研修に行ってきました。視察施設は山梨県にある「南アルプス子どもの村小学校・中学校」。この研修は高齢者施設や認定こども園、ねむの木学園など他業種の施設を見学して学ぶことが増えています。今回の学校は、小学生132人、中学生56人の小さな私立学校です。

 一番の特徴は、「先生が前に立って児童、生徒が授業を受ける」というスタイルがほとんどないこと!

それ以外にも、クラスもない、テストもない、普通の学校で使う教科書もほとんど使わない。しかし、この学校はちゃんと文科省に認定されている学校です。では、どうしているのかというと、基礎学習はあるものの主となるのはプロジェクトと呼ばれる活動です。

1年生から6年生までが縦割りで自分の好きなところに参加します。工務店(木工、園芸)、劇団きのくに(表現)、よくばり菜園(農業)、ものづくり工房(木工、古民家再生)、むかしたんけんくらぶ(昔の衣食住)など。

自分の意志で選び、自分で体験する、ここが重要です。原則は「自己決定」「体験学習」「個性化」という3つであり、書物中心主義や画一教育の対極にあると言えます。自己決定と個性化、というと好きなことだけ勝手にやっていると思われがちです。しかし、自己決定には責任が生まれます。この学校には全員で話し合いをする全校ミーティングという時間があり、これを大事にしています。好きなことに取り組むために明確なルールを自分たち自身で決めているのです。大人も子どもも同じ一票を持ち、あらゆることが話し合われています。

 体験学習では大人が介入しないため、失敗も多いそうですが、机上での学びでなく体験からの学びであるため、国語、算数、理科、社会、体育、図工、家庭科といった教科学習を複合的に身につけているといえます。

 すべての学校が、こうである必要はないと思いますが、子どもの自己肯定感が低いと言われている現在、「僕は僕でいい」「きみはきみでいい」という考えは人間の生きる力の原点ではないかと思わされました。    園長 田中 裕

2018年11月12日   北野保育園

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