新しい年を迎えました
新年あけましておめでとうございます。旧年中はいろいろとお世話になりました。平成も27年めになるんですね。昭和なんてついこの間のような気がしましすが、私が平成元年生まれの中学生を教えていたのがもう十年前ですから、社会でもたくさんの平成生まれが活躍しているわけです(わが保育園の職員もそうですね)。
さて、今年は子ども子育て支援新制度元年になるわけですが、消費税アップの先送りやら何やらで新制度はスタートからまだ混迷しそうです。板橋区の認可私立保育園は現在54園ありますが、今のところ「認定こども園」に移行する園はありません。これは公立も同じではないかと思うのですが、他区では公立はすべて「認定こども園」になるところもあるようです。今後これがどのような動きになっていくかまだ分かりません。しかし、もし全面的にこども園に移行せよとなっていくと、資格の更新が大変な問題になってきます。幼稚園教諭の資格がない場合、5年間の猶予の中で8単位取得すれば資格が認定されるという緩和措置があり、講習料の助成もあります。これは大変ありがたいことです(3年以上の経験、4320時間という前提がありますが)。しかし、すでに幼稚園教諭の資格を持っている職員の場合、10年ごとの免許更新があり、30時間もの講習を受けなければなりません。8月に開講している大学が多いようですが、幼稚園と違い、長期休暇もなく、日々シフト勤務をしている中で大学に通うのは困難ですし、こんなに保育士不足の中で、出勤しないで大学に行ってこいなどと寛大な対応ができる保育園があるとも思えません。この点はぜひ、行政で考えてほしいところです。
またひっかかるのは「認定こども園」が学校教育と保育を一体的に提供すると謳っているところです。これでは保育所が昔ながらの「ただ長時間預かっているだけ」という偏見を与えかねません。少なくとも板橋区の私立保育園はたくさんの園が体育的な活動や音楽活動、絵画造形、食育活動、地域との交流など子どもの成長発達に必要な活動を行っています。そもそも就学前に「学校教育」という文言を盛り込むこと自体、おかしなものです。学校を基準にして幼稚園・保育園でもこれくらいはできるようにという発想は「子どもの主体的な活動」を奪い去り、教える・与えるに終始していきます。まあ、根本はペーパーテストという大学入試の構造からすべてが下に降りてきているように思いますが(下村文科相が大学入試の改革に乗り出したのは画期的ですが)。
新年から愚痴ってばかりいるのも感心しませんね。昔なら「お里が知れるよ」と言われてしまいそうです。すみません。
とまれ、今年も和・気・愛・愛の理念に向かって職員一同がんばっていく所存でおりますので、どうぞよろしく願いいたします。 園長 田中 裕