和・気・愛・愛 園だより10月号
運動と運動機能
園長 田中 裕
運動技能の発達には一つの運動だけを繰り返すのではなく、全身を使った保育の中での自由遊びが大切です。
走る、跳ぶ、のぼる、手で押す、引き寄せる、持ち上げる、ぶら下がる、とびおりる等、これらは主に幼児の活動の中で見られる動作です。5歳児の体力が数十年前の3歳児並みになっている現在、上記の動きや、「乗り越える」「くぐる」に加え、乳幼児ともにバランスを要する運動や、よつんばいで体幹を鍛えることが今、求められています。
また、お箸や鉛筆の持ち方に癖のある子は姿勢の保持にも影響があるといった、末端と全身の連動があります。区から保育アドバイザーが来園したときに作業療法士の先生からこのことを含めていろいろなことを学びました。
乳児クラスが室内遊びで、粘土や新聞ちぎりをしたり、穴落としやシール貼り、洗濯バサミを使うのは子どもが興味を持つ遊びという側面もありますが、手先の発達におおいに大切な遊びなのです。つまみの発達には3段階あり、指の側でつまむ→指腹つまみ→指先つまみ、と進む中でスプーンや、お箸、鉛筆の握りが徐々に完成していくのです。
箸で物をつかむ、 鉛筆を持って文字を書くときは、持ち方だけでなく、指の第二関節や手首の微妙な動きが必要です。「手をかざすと水が出る」「喋ると動く」―生活が便利になるほど、ひねる・指先で押す・回す、といった動作が子どもから奪われます。本来人間がもっている力が失われていくなかで、子どもの未来はどうなるのでしょうか。
手間をかける、労をいとわない、急がば回れ。これは道徳的で精神的なこと以前に、子どもの自然な体の発達を促す言葉でもあるように思います。
―10月の行事予定―
☆板橋区民まつり
10月19日(土)、20日(日)に大山のグリーンホール周辺で開催されます。お神輿や模擬店がたくさん出店され、板橋一中体育館には私立保育園園長会のブースも出ます。ぜひ、お立ち寄りください。
10月のクラスのねらい
0歳児 |
・気温差に留意し健康に過ごせるようにする。 ・秋の自然の中で、保育者と一緒に十分に体を動かして遊ぶ。 |
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1歳児 |
・戸外で十分に体を動かして遊ぶことを楽しむ。 ・保育者に見守られる中で、身の回りのことに興味を持ち、簡単なことは自分でしようとする。 |
2歳児 |
・秋の自然に触れながら、保育者や友だちと一緒に、体を動かして遊ぶことを楽しむ。 ・保育者に見守られながら、自分の身の回りのことをしようとする。 |
3歳児 |
・運動会に向け、期待感を持ち楽しく参加する。 ・秋の自然に興味や関心を持ち触れて遊ぶことを楽しむ。 ・生活習慣(手洗い、鼻かみ、着替えなど)に気が付き取り組む力を育てる。 |
4歳児 |
・運動会を通じて友だちと力を合わせて表現する喜びや競い合うおもしろさを味わう。 ・身近な秋の自然にふれ、季節の変化に興味や関心を持つ。 |
5歳児 |
・運動会を通して自分の力を発揮したり、友だちとの繋がりを感じながら力を合わせて取り組む。 ・季節の移り変わりを感じ、秋の自然物を使った遊びを楽しむ。 |