生きる力を養う給食 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　園長　田中　裕

　新年度が始まって1か月が過ぎました。子どもたちもようやく新しい環境になじんできたようです。もちろん子どもですから日によって機嫌が悪い時もあるし、週初めはリズムが整わない、週末は疲れが見られるといったことはあります。これは実は親の心や体調と連動しているのです。大人がつらいときは子どもも疲れて荒れ、大人に余裕があるときは子どもだってご機嫌なのです。家庭だけでなく、保育士もこのことを意識して保育にあたらなければなりません。

　園では保育目標に「生きる力のある子ども」を掲げています。年齢によって「生きる力」は異なりますが、共通しているのは「よく食べ、よく寝る」という生きることの源になるものです。保育の世界ではこれは「養護」の領域に入り、ひとりひとりきちんと保障をしなければなりません。

　給食が業務委託になり今年度から子どもは毎日「スティック野菜」を食べています。ニンジン、セロリ、大根、キュウリと聞くと大人でも苦手の人がいるでしょう。ところが（全員ではありませんが）2回目に登場するとたくさんの子が食べるようになったという声を聞きます。スティックは咀嚼（かむ力）、嚥下（飲み下す力）も養い、素材そのものの味も覚えられます。これこそ「生きる力」をつける機会ではないでしょうか。委託会社のサンフラワー・Ａはプレゼンで「食育とは栽培や調理、誕生日メニューのような特別なことでなく、日々の給食で行うのです」と語りました。委託業者を決定した一言といえるほど大事な言葉でした。

　今日も食事をおいしく頂き、元気に活動しましょう。